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交通事故

交通事故損害賠償事件

交通事故にあった場合、どのようなことが問題となりますか。

交通事故にあってしまった場合、事故当事者双方の過失割合と損害の内容とが問題になります。相手方が任意保険をかけていなかった場合、相手方も交通事故についての知識が乏しいうえ、賠償金を支払う資力にも不安がある場合が多く(任意保険の保険料を支払えないなどの理由で任意保険に入っていない場合は、資力がないことが多い)、実際の賠償を受けるのに非常に苦労することもあります。相手方が任意保険に入っている場合には、示談交渉は保険会社と行うのが一般的です。賠償金を支払う資力にはまず不安はありません。

過失割合はどのように決まりますか。

これまでの実務、裁判の蓄積をもとに、事故の類型によって過失割合を定めた基準があります(判例タイムズ、赤本などと呼ばれる本になっています)。直進車と右折車の事故、進路変更車と後続直進車との事故、左折車と直進バイクの巻き込み事故など、大まかな事故の類型によって過失割合が規定してあります。裁判等において、事故状況のあまり細かい部分まで検討するということはない印象です。

物損として請求できる損害はどのようなものがありますか。

修理費、レッカー代、代車料、格落ち損などが考えられます。修理費は、現実の修理費か被害車両の事故時の価値のいずれか低い方の金額になります。例えば修理費が50万円でも、車両の時価が30万円しかない場合には、車両の時価30万円が賠償請求できる金額です。代車料も修理等に必要な合理的期間に限られ、2週間から長くて1か月程度という感じです。格落ち損は、比較的新しく走行距離の短い車でなければ、なかなか認められないと思っていただいた方が良いと思います。

人損として請求できる損害はどのようなものがありますか。

治療費、入院雑費、通院交通費、休業損害、付添看護費、傷害慰謝料、逸失利益、将来の付添看護費、後遺障害慰謝料などがあります。

後遺障害とは何ですか。

交通事故による受傷後、これ以上治療効果が上がらない状態(症状固定の状態と言います)になった時点で残存する肉体的不具合等を後遺障害として評価し、その程度に応じて賠償が受けられる仕組みになっています。後遺障害の等級は1級から14級までに区分されており、医師の作成した後遺障害診断書等に基づき、自賠責保険の関係団体が認定手続きを行っています。後遺障害等級により、慰謝料の金額や労働能力喪失率(逸失利益の算定基礎となります)が決められています(自賠責保険では、労災と同じ基準を使っています)。

最終的な示談はどのタイミングでしたらよいのでしょうか。

後遺障害の有無、程度が分からなければ、後遺障害慰謝料、逸失利益(後遺障害による労働能力の低下に対する補償)の額を決めることができません。従って、最終的な示談のタイミングは、後遺障害の有無、程度が確定する症状固定後ということになります。
ご注意
ここに記載した内容は、簡単に一般論をお伝えしているものです。
具体的な紛争・事例には当てはまらない場合もございます。

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